映画「超高速!参勤交代」時代劇でコメディは、ずるい(ネタバレなし)
タイトルの通り。基本的に現代人の認識では侍というものは
- 真面目
- 忠義
- 切腹
- ござる
- 拙者
のようなイメージで、早い話が「堅い人たち」といった感じ。もちろん悪人もいるけど、チャラチャラした悪さではない感じ。
そういうイメージを持たれた人であれば、突然幼稚園レベル以下のギャグを言い出すだけでも大爆笑を得られることがありますよね。ギャップや意表をつくことが笑いならば、彼らお堅い侍様は、侍であるというだけで本来必要なキャラクターの性格を積み上げるプロセスをすっ飛ばして意表をつき放題。
ということがあって、時代劇におけるコメディリリーフにははずれが少ないような気がします。
それではそのコメディ要素を、特定のキャラクターに留まらずにストーリーで振り切ったらどうなるか。そら笑いのハードルは下がりますよね。
本当は侍も今の僕たちも地続きの同じ人間なのに、彼らが異世界の住人のように見えるせいで、僕たちと同じことを侍がやるだけで驚きや笑いになる。こいつはずるい話だぜ。
更にこの映画は、そういった笑いの部分に留まらず、ドラマの部分でもしっかり見せてくれる。こいつはずるいったらありゃしねえぜ。
「彼らも不倫をした」「彼らも夫婦喧嘩をした」「彼らも汚職をした」「彼らも仕事をサボりたがった」「彼らもアイドルにうつつを抜かした」「彼らも嫉妬した」「彼らも寝坊した」「彼らも……」
なんでもいいから彼らも僕たちと同じだったということを語るだけで驚きを持って迎えられる。まだまだ時代劇には鉱脈が眠っていますね。というのは時代劇に抵抗のない奴らの妄想かしら。