海外ドラマ「オーファン・ブラック 暴走遺伝子 シーズン1~2」イッキ見には向かないけど(ネタバレなし)

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女が駅で飛び込み自殺の現場に遭遇。なんと自殺した女は自分とそっくりの顔をしていた。そして次々に現れる自分と同じ顔をした女たち……

といった、クローンモノのサスペンスドラマです。出てくるクローンの数はなんと8人以上。この手のクローンモノはありがちですが、だから何でしょう。肉じゃがはカレーと同じ材料を使ってるという理由だけで低評価されますか?「よくある設定の作品です」だけでレビューを済ます奴、嫌いです。しかもそういう奴に限って具体例を挙げられないという。うわ何このブーメラン。というわけでシーズン2までイッキ見。

一話一話は引き込まれるしキャラクター作りも面白く飽きさせない作りなんですが、やっぱり出てくる僕の悪いクセ。「あれ?先週すげえ問題にしてたあの事件、なんで今週はどうでもよくなっちゃったの?」「あのキャラすげえラスボス感出して登場したのにいつのまにか小者になってね?」「ん?今大騒ぎしてることは、結局その先何をするためにやってることなの?」といった海外ドラマあるあるが気になって集中できなくなりました。いや、減点法好きな我々日本人によくある「こんだけのアラを探せた俺すげえ」みたいなアラ探し自慢で言ってるんではないですよ。元々週1回の放送で、視聴者が先週のお話を9割忘れてる前提の脚本づくりをしてるからイッキ見でアラが見えるのは当然なんです。でもいい加減、強烈なヒキがなくてもシーズン通してひとつの作品、といったタイプのドラマが作られて持てはやされてもいいと思う。そりゃ毎週のリアルタイム放送だと視聴率的にすごく不利になる作り方だとは思うけど、今はその後ネットでイッキ見層にアピールする売り方もあるわけだし。にしてもこう書くと今度はいかにも「俺は一話一話に惑わされずに正当な評価のできる男」みたいなこと言ってる奴に思われそうで。あーもう海外ドラマ消えてなくなれ!

 

さて、見所はというと。

  • 安定の「いい味出してるオネエキャラ」

DQ11にもまさにそんなキャラがいますね。いいキャラすぎてこの先殺されそうで怖いし、殺されてほしくない。まあ多分人気キャラだと思うので殺されたとしても次週で生き返るでしょうねこの調子なら。シーズンラストの死亡なら契約の問題でガチっぽくて怖いですが。まその場合は更に次のシーズンで生き返ることもあるし大丈夫か。それにしてもこのドラマ、このキャラのゲイ要素は結構コミカルに描かれているのに、別のレズキャラのレズ要素は剃刀一枚入る隙間もないほどガチに描かれてますね。同じマイノリティでも今はホモヘテロよりジェンダーの方が強いってことなんですかね。

  • 主演女優の演技

最初は「一人三役が集まるのこのシーンはどうやって撮影してるのかな」とか余計なことを考えながら観ていたところ、いつの間にかものすごく自然に、それぞれ別の俳優が演じてるようなつもりで観ている自分に気づいたので、上手に演じ分けてるんだと思います。今後表情ひとつで泣かせる演技ができる俳優かどうか等はそもそも僕にはわかりませんが、少なくともこの作品に要求されるレベルの演技力という意味では完璧です。一人八役なんていかにも賞狙いの俳優がやりたがりそうな役だよねえと斜に構えて観ててスマン。本物でした。

 

……くらいですかね。

クローンを扱ってはいますが、SF的な面白さは特にないです。生き別れのただの八つ子の設定だと成立しないのは数話くらいです。シーズン2までだと。

それと何故かシーズン3以降は日本語吹き替えはなく字幕のみなので、知らずに吹き替えで観てた僕らはなんとなくそこで視聴が止まってる状態です。最終シーズンまで配信された頃に再開することにします。ストーリー忘れてても楽しめるし。

 

次回気になる度 ★★★★☆

ふとどうでもよくなる度 ★★★★☆

SF度 ★★☆☆☆

邦題サブタイトル ☆☆☆☆☆